保護者という名のクレーマーは「モンスターペアレント」と名付けられ、クレーマーとしての実態は知られつつあります。
しかし、今のこの世の中、何故モンスターペアレントと呼ばれるクレーマーが増大しているのでしょうか。
モンスターペアレントと保護者たちは、クレーマー化してはいるけど「モンスター」という別の生き物なわけではありません。れっきとした一人の生徒の保護者でもあるのです。
そんな保護者がどうして教師を破滅させるまでの「モンスターペアレント」になってしまうのか。今回はその原因について考えていきたいと思います。
子供を持つ親なら、自分の子供をことを思いすぎ、モンスターになってしまいがちです。モンスターペアレントにならないためにも参考にしてくださいね。
モンスターペアレントが生まれた3つの原因
コミュニケーションが減少している
まず、モンスターペアレントが増えてきた大きな原因は、学校と保護者間のコミュニケーションの減少が大きな原因の一つです。
コミュニケーションというのは減ってくると、要求と苦情だけが残るようになります。
何故、コミュニケーションが減ると、要求と苦情だけが残るのでしょうか。それは減っていくプロセスで関係性が変化していくからです。
人間は、互いに会話をする中で、相手のことを知ろうとし、自分のことを知ってもらおうとします。
すなわち、相手への興味関心がコミュニケーションの動機づけとなっており、多く会話をし、多く触れ合う時間を持つことで、関係が深まってきます。
関係が深まってくる、というのはつまり、相手のことが自分にとって信頼できる、大事な存在になっていく、ということに他なりません。
相手が自分にとって、大事な存在になっていけば、当然、相手からどう思われているかが気になるようになります。
自分が相手のことを大事に思っているのだから、相手からも当然大事に思ってほしいし、信頼してほしいし、好きになってほしい。
だから、相手の対する言葉や態度に気を使うようになります。これは、友人であっても、恋人であっても、夫婦であっても同じです。
そこには関係を続けていきたい、という動機が存在するのです。これはモンスターペアレントにおいても同じことが言えるのです。
モンスターペアレントが生まれた原因、それは学校と保護者間のコミュニケーションの減少、まずはこれが大きな原因なのです。
コミュニケーションが減少している原因
モンスターペアレントが生まれた原因は、双方のコミニュケーション不足ですが、それが減少している原因はどこにあるのでしょうか。
その原因は、双方の多忙さにあります。
教師それぞれが非常に忙しいし、親たちもそれぞれに忙しい。
そして教師からすると個人情報という壁ができてしまったのも、コミュニケーションを減少させている大きな要因です。
親たちからすると、生徒それぞれに平等に接しようとする教師の態度のは、ときに熱心さ、親身さがないように見えることがあります。
互いのコミュニケーションの減少によって、学校、教師と保護者は互いに「どうでもいい」存在になり、モンスターペアレントが生まれる下地が出来上がります。
しかし、どうでもいい相手といっても、全くコミュニケーションをとらないというわけにはいきません。「どうでもよい」存在であっても「無関係な存在」ではないからです。
「どうでも良い」「どう思われても良い」という感情をお互いに抱きながらも関係性は続いていく、という不思議な構造になるわけです。
保護者と教師の関係の変化
モンスターペアレントが生まれた2つ目の原因は次の内容です。
コミュニケーションが減少し、互いがどうでも良い存在になり、どう思われても構わない関係になり、役割と義務によってのみ規定された教師と保護者の関係の中で、モンスターペアレントになる親は、自分と教師の関係を次のように分けて考えるようになります。
「お金を支払う側」と「支払われる側」
お金を支払っている自分たちは、当然、要求を主張する権利を持ち、義務の怠慢に文句を言える立場ではないか、と思うようになるのです。
モンスターペアレントになる親にとって、教師は「どう思われても構わない相手」であり、かつ、相手はその職業によって金銭を得ている、自分は支払う側である。
このような考えに至り、知らず知らずのうちに、学校や教師がやらなければいけない義務の幅を広げていくのです。
自分はお金を払っている、相手には自分の要求をかなえる義務があるという思い、すなわちお金を払っていることによって優位に立っているという錯覚は、怒りの感情を生じやすくさせます。
モンスターペアレントにとって、教師のすべきことは相手の義務なのだから「してくれてありがとう」という感謝の気持ちは生まれません。
生じる気持ちは「どうしてしないんだ」という怒りの気持ちだけです。
この怒りが、モンスターペアレントを生む原因となるのです。
サービス産業化する学校
そしてモンスターペアレントが生まれた3つ目の原因はこれです。
学校がサービス産業化したこと。
保護者と教師が「支払う側」と「支払われる側」に、モンスターペアレントによって分類されてしまったことにより、学校も徐々にサービス産業化していきます。
教師たちは、給与という報酬を、生徒を教育することによって得ている。だから教師は「教育」というサービスを生徒に提供しなくてはならない、ということです。
この学校のサービス産業化も、モンスターペアレントを生む原因となるのです。
「どう思われても構わない」という気持ちが大きな原因
モンスターペアレントが生まれた3つの原因をご紹介しましたがいかがでしたか。
最後に繰り返しになりますが、「どう思われたって構わない」と思っているモンスターペアレントたちは、学校、教師の態度次第で、限りなく要求をエスカレートさせ、要求を叶えないことに苦情を申し立てます。
この「どう思われても構わない」「お金を支払っているのだから」という感情は、とても恐ろしい感情です。
親たちはこう思っているのです。
「モンスターペアレントと思われたって構わない」と。
そしてモンスターたちはどんどん巨大化していくのです。
あなたはモンスター化してませんか?
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