専業主夫になりたい方は、まずは主婦が社会においてどのような役割を担っているのかを理解しておきましょう!
日本でも「専業主夫」として生きる男性が少しずつ増えてきましたが、まだまだ少数派です。
今回は「専業主夫」と「兼業主夫」の生き方をご紹介しながら、世の主婦の方々が社会でどのような役割を担っているのかをお話していきますね。
主夫って何?
専業主夫、兼業主夫の前に、そもそも「主夫」って何なんでしょうか。
主夫とは、家事や育児などを担当する男性のこと。主婦の対になる言葉で、英語でhouse husband, stay-at-home dad、ハウス・ハズバンドと言われます。
専業主夫になりたい人は「主婦」の役割を理解しよう
専業主夫って何?
さて、ここからは専業主夫の生き方をご紹介していくわけですが、専業主夫は、「主夫」のうち外で仕事をせずに家事を専業とする旦那のことを言います。
日本でも「専業主夫」の方は少しずつ増えてきましたが、特に欧米では、高収入のキャリア女性が増加したことに合わせ、男性の雇用の不安定さも重なり、妻が働き、旦那が家事や育児を担当するケースがかなり増えています。
専業主夫になる男性って一体どんな生活を送って、どんな生き方をしているのでしょうか。
専業主夫になる理由
ある専業主夫の男性のお話です。その男性は、長女の誕生から10年間、家庭では家事育児、地域ではPTA・子供会のほかのボランティア団体に専業主夫として参加してきたそうです。
その男性が専業主夫になった理由は主に次の3つです。
- 子供が誕生する以前の夫婦の働き方のままでは、子育てが困難であったこと
- 旦那より妻のほうが仕事への意欲が強く、妻より旦那の方が育児への意欲が強かったこと
- 旦那の稼ぎより妻の収入の方が高く安定していたということ
夫婦間では完全にロジカルなこの選択を周りに伝えたとき、大きな抵抗を感じたそうです。特に職場の上司からは「まったくもって理解できない」「8年間育ててもらった会社を裏切るのか」という言葉が。
このことからも、専業主夫という生き方は、少数派であること、前例のないこと、一般的な性別役割を逸脱することに対して非寛容な社会であることを垣間見ることができます。
専業主夫の働き方とそれに対する社会の評価
主婦(主夫)の仕事というとどのようなものを思い浮かべますか?
家事はすぐに出てきますよね。炊事・掃除・洗濯です。子どもがいれば、育児にまつわる様々なことも。
世界的に見て、日本の主婦の家事レベルはものすごく高いと言われています。
一例をあげると、日本ほど毎晩世界各国の料理が家庭料理として並ぶ国はありません。また、家の中が常に清潔で片付いている家庭が多いのも、他の国にはない特徴です。
これら高い家事レベルは、高度成長期に主流となった家族像、その中で花ひらいた主婦文化によってできあがりました。
主婦が手間と時間をかけて家事に取り組んだ結果、幼少期から多様な料理が食べられる日本の子ども、きれいに片付いたリビングでくつろげる日本の父親は幸せです。
このことからもわかるように、「専業主夫になりたい」からと言って、その生き方が楽なわけではまったくありません。
兼業主夫という生き方もある
ここまでご紹介してきた通り、専業主夫としての生き方も決して楽なものではありません。専業主夫になりたい方は、まずは「兼業主夫」という生き方から「主婦の役割」を身を持って体験してみるのも一つです。
兼業主夫として生きる、ある男性はこう言います
一つのことを追求し突き進む職人的な人もいるけど、残念ながら僕はあまり向いていなかった。その代わりに、いくつかのことを同時に進める、いわば「マルチタスク」タイプの僕が選んだ生き方が「兼業主夫」なんです。
家事育児は仕事の合間にするものではない
専業主夫という生き方を選んだのは2008年のこと。フルタイムで働き、男性とも肩を並べるほど意欲的に仕事をこなす妻との共働き生活に限界を感じていたとき、保育園の先生にこう言われました。
「ちゃんと子育てをしてください」
この言葉をきっかけに、生き方を見直し、家事や育児により積極的に関わるようになりました。
もともとフルタイムワーカーとは違って自分でスケジュール管理をしているため、比較的容易に家事や育児をする時間を取ることができたのですが、最初のうちは「仕事の合間に家事や子育てをする」という感覚でした。
ところが!そんな感覚ではとてもじゃないけど追い付かないのが現状。家事や育児をちゃんとやろうとすると、それは大変なことでした。
しかも、いい大人が相手の仕事よりも、自由な子どもが相手のほうがよほど計画通りいかなかったりするわけで、徐々に感覚として「家事育児」を「仕事」と同じプライオリティで進めていくことになりました。
結果、僕は主夫と会社員のわらじをはく、「兼業主夫会社員」というスタンスにたどり着いたのです。
兼業主夫宣言で自分も周りも意識が変わる
僕が勤める広告業界は「親の死に目にすら会えなくて当然」という、完全に男社会。兼業主夫生活を始めた頃は、「子どものために仕事を切り上げている」なんてとても言えませんでした。
ところがある日、「子育てにまつわる広告の仕事をお願いしたい」と言われたのです。子育ての経験が仕事になるなんて思ってもみなかったので、とてもありがたい申し出でした。
子育ても一つの経験。視野も広がれば、危機管理能力だって上がると思います。これってほとんどすべての仕事に役立つことじゃないでしょうか。
そういう意味では、やっぱり子育ては自分のスキルアップにつながるものなんです。そう思ったら、普段の子育ても自分のために頑張ることができました。
そして、変わることは自分だけではありません。専業主夫であると前もって伝えておくと、仕事相手から「この時間の打ち合わせで、お子さんは大丈夫ですか?」なんて聞かれちゃったりする。これは大きな違いです!
もちろん、時代が変わって子育てをするパパたちが増えたことこともあると思いますが、立場を明確にすることは大事だと感じています。
作業を分担するのではなく責任を分担する
仕事を終えて疲れて帰宅したときに家が片付いていない。シンクは洗い物でいっぱい。共働き家庭においてこんな光景は男女ともによく見かけると思います。
そんなとき、相手に対して「なんでやっておいてくれなかったんだ!」と不満をもったりすることもありますよね。僕もそうでした。
でも、これが自分のことを「兼業主夫」なんて言い出すと、変わるんです。その片付いていない家や洗い物は、ほとんどが自分のせいになる。
つまり、家事や育児に対しての責任を負うことになるんです。この意識の変化で夫婦喧嘩は劇的に減りました。
専業主婦家庭で育った僕と妻は、どこかで「女性が家事をやるもの」などと考えてきました。ところがフルタイムで働く妻にそれはできない。
僕は不満を持ち、妻はうしろめたさを持っていたと思います。ところが僕が「兼業主夫」を宣言したら、互いの意識が変わった。
つまり我が家は作業を分担するのでなく、責任を分担したことになったのです。
今、ほんの少しでも家事や育児をしているパパたちはみんな「兼業主夫」の一人。この際、思いきってみんなに「兼業主夫」と言ってしまえばいいのに!なんて思ったりもするわけです。
兼業主夫は妻を苦しめる?
こんな風に得意げに「兼業主夫です!育児も家事もやってます!」なんて言うことができるのは、妻の懐の深さのおかげです。
僕がやっていると言えば言うほど、妻は「家事や育児をやっていない」というレッテルを貼られています。
「やっていないレッテル」は本当につらいものでしょう。それでも妻は、僕が「兼業主夫」だと宣言することの意味を理解してくれて、認めてくれています。
僕と妻は話し合った結果、今の、うちの家庭にしか理解できないかもしれない、うちならではの形にたどり着いたんだと思います。
皆さんもぜひ、みなさんなりの子育てやパートナーシップの形を見つけてみてください。
主婦(主夫)は地域において大きな役割を担っている
専業主夫になりたい方に、専業主夫と兼業主夫の生き方や役割をご紹介してきましたがいかがでした。
最後にもう一つだけ、重要な主婦(主夫)の仕事をご紹介しておきます。
地域において、自治会やPTA,子供会など、主婦がいるからこそ回っている仕事はたくさんあります。
平日日中に地域で活動しているのは、主婦を除けば65歳以上の高齢者か3歳以下の幼児のみ。地域活動の担い手としての年齢の多様性を確保しているのは、主婦です。
これらの活動を基本的には無報酬でこなしています。そして、あまり評価されないご近所付き合いや井戸端会議も、家族の情報源として有効です。
専業主夫になりたい方はこれらの活動を通し、社会の役割を担う必要があるわけです。
例えば、子供が生まれから必要になる小児科の情報など、それらはご近所付き合いなどから得られることが多いものです。
小学生の主婦ママとワーキングママの間の情報格差に驚くこともしばしば、主婦ママは、地域や学校における情報量がはるかに多いのです。
家事もご近所付き合いも地域活動も、表面上は経済活動に直結していないので目立ちません。
しかし父親が安心して仕事に出かけられる家庭づくり、子供たちが安心してのびのびと成長できる地域づくりなどを通じて、社会を裏から支える重要なものです。
専業主夫になりたい人は、このことをしっかりと理解しておくことが必要です。
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