
子供を頭のよい子に育てたい。それは多くの親たちの願いではないでしょうか。
多くの親が、学力のある子、生活力を備えた賢い子、独創性や想像力のある子など、何からの意味で頭のよい子に育てたいと思っています。
自分よりもよい環境を与え、自分よりも賢い人間になってほしい、できれば高い学歴をつけてほしい。
そう思うのが親というものですよね。
しかし、そのために具体的にどのようにすればいいのかわからずにいるのが、ほとんどの親じゃないでしょうか。
誰も、頭のよい子に育てる方法なんて教えてはくれません。
今回はそんな親のために、子供を頭のよい子に育てるためのヒントとなる、子供の上手な褒め方を具体的にご紹介します。
ぜひ子供の教育に悩まれている方は参考にしてくださいね。
目次
子供を褒めるときに一番意識しなければいけないこと

自己万能感を植え付ける
子供を頭のよい子に育てるための具体的な褒め方の前に、とても大切なことを先に一つお話しておきます。
それは、子供が小さいうちに「自己万能感」を植え付けるということ。
途方もない偉業をなしとげた芸術家や、人間にできるとは思えないような高さを飛んだり、恐るべきスピードで走ったり、こんな何か偉業を成し遂げる人は、間違いなく「自己万能感」を身に着けています。
なぜ、これらの人たちは、こんな偉大な力を発揮することができるのでしょうか。
もちろんそれにはさまざまな要因があるでしょうが、ひとつだけ間違いなく言えることは、彼らはそれが「自分にできる」と信じていること。
これが「自己万能感」です。
つまり自己万能感とは、自分には人並み以上の能力があると思い、自分を信じることができる力のこと。
自己万能感がある人は自分のことをこう思っているのです。
「自分には特別な力がある。努力すれば必ず世界一になれる」
だからこそ、人並み以上の努力をし、これだけの力を発揮できるのです。
もし「自分は並みの人間だ」と思っていたとしたら、苦しい思いを乗り越えて死に物狂いで努力することはできなかったでしょう。
子供の万能感に水を差す親
人というものは、自分には人並み以上の能力があるという思いがないと、堂々と生きていくことができません。
人並み以下だという意識をもっていると、自分を持つことができません。
人から何か言われるとすぐにぐらつきます。
自尊心を持って行動することができません。
ところが、この自己万能感の大切さを理解しないで、子供の万能感に水を差そうとする親がとても多いのです。
あなたは自分の子供にこのような言葉を投げかけていませんか?
「あなたにそんなことできるわけないでしょ」
「夢みたいなこと言ってるんじゃありません」
子供が何かしようとするたびに、口癖のように「むりむりむり」と冷やかす親もいます。
小学校高学年になると、子供を塾に通わせる家庭も多いと思います。しかし、塾に通わせてもすぐに効果がでない場合もあります。
そんなとき、つい腹立ち紛れに「あなたにお金を使うなんてドブにお金を捨てているようなものなのかもね」と言ったりする親もいます。
これ見よがしに大きくため息をつきながら、こう言ったりもします。
「あーあ、本当にダメな子ねぇ」
「なんだ、こんなこともできないのか」
「一人息子がこうじゃ我が家の将来が思いやられるよ」
子供が中学生、高校生になって、ある程度、冗談を理解するようになってからならともかく、そうでないうちにこのようなことを口にしたりすると、子供に深い傷を負わせる恐れがあります。
例えば、子供がそれまでの成績に自分でも焦りを感じ、せっかく勉強しようという意識を持って「これから勉強する」と宣言したとします。
これに対して「あなたのことだから、どうせ三日坊主でしょ」などと言ってしまっていませんか。
親本人は子供を刺激してやる気を起こさせようと思っているのかもしれませんが、これでは子供のやる気は失われるだけです。
潜在能力を否定していませんか?
もちろん、ときに子供の万能感にうんざりすることもあるでしょう。
子供は自分がスーパーマンになったような気持ちになり、ヒーローの真似をしたりします。
しかし、人間には万能感があるからこそ、人はヒーローを創造しそこに自分を投影するのです。
だから、子供のこういったヒーローを真似する行為もとても大切なことです。
ただ、子供がその万能感が強すぎて、ときに他人を軽蔑したりすることもあります。
もちろん、そういった場合は厳しく言う必要があります。ですがその場合でも次のような内容にとどめておいた方がいいでしょう。
「あの子だって、もしかしたら、すごいのかもしれないよ」
「お前だって練習しないとできるようになりっこないよ」
このように持っている潜在能力そのものを否定しないことが大切です。
決して「あなたは一体何様のつもりなの。あなたが偉くなれるわけないじゃないの」などと言ってはいけないということです。
具体的な子供の上手な褒め方6選

それでは「自己万能感」を植え付けるということが一番大切だということを踏まえまして、次は具体的な子供の上手な褒め方をご紹介します。
おおげさに褒める
最初の子供の上手な褒め方ですが、何よりもこれです。
おおげさに褒める!
これについては具体的なことは何もありません。とりあえず、子供は褒めて伸ばすことが一番だということです。
スポーツでも勉強でも手先が器用なことでも「すごいね!」を連発しましょう。
「もしかしたら天才かも!」くらいのことは言ってもかまいません。
少し、子供が過信するくらいおおげさに褒めましょう。
自信なさそうにしている場合にも「〇〇だったらきっとできるよ」「〇〇にできないはずがないじゃないか」とフォローしてあげることも大切です。
それほど褒めるだけの力を示していないときは、過去の親自身と比べて褒めてあげましょう。
「パパの小さいことに比べたら、ずっと上手だよ!」
こんな感じです。少しでも自尊意識を持たせてあげることが大事です。
それでもなお何かに失敗したり苦手だったりして、万能感を持てずにいたら、達成可能なことをさせるようにしましょう。
たとえば、勉強につまずいている場合には、やさしめの練習問題をさせてみる。
そして、よい成績をとらせ少しおおげさに褒めるんです。
やさしい問題だと子供が気づいているときは「やさしそうに見えるけど実はこれはけっこう難しい問題だよ」などと言っておくといいでしょう。
そして「ほら。できたでしょ。お前がやる気になればすぐにできるんだよ」と言い聞かせるのです。
やればできることを認識させる
次の具体的な子供の上手な褒め方はこれです。
やればできることを認識させること。
自分をだめな人間だと思うと、人は本当にダメな人間になります。
もちろん親も人間です。ときに、子供に対して嘆きたくなることもあるでしょう。
しかし先ほどもお話したとおり、そんなときでも「ダメな子だねぇ」「どうしようもない子だね」などといった、子供に自分の能力を過小評価させるようなことは言うべきではありません。
たとえ心に中で思っても、絶対に口にだしてはいけません。
「やろうと思えばできるよね」
「このあいだは失敗したけど、今度は真剣にやるよな」
このように子供にやればできることを認識させることが大切です。
具体的に成果を示す
次の具体的な子供の褒め方はこれです。
具体的な成果を示してあげる。
努力の成果をわからせてあげることが大事だということです。
「やればできるじゃないか」
「練習の成果だね。このあいだ練習したところができるようになってるよ」
このように具体的な成果を示してあげましょう。
「練習不足で少しも上達してないよ」
「勉強してなかったな。まるで成果が出ていないじゃないか」
こういうのも悪くはありません。
しっかり練習すればその成果がでて、サボれば成果がでないということを知ることができるからです。
ただし何度も繰り返しますが「どうせお前なんかやってもできるようになんかならない」
こういうことは絶対に言ってはいけません。
限界を設けない
次はこれです。
限界を設けない。
子供が何かしようとするとき、すぐに「むりむり」とかいってはいけません。
これは、わが子の能力を否定しせっかく伸びようとしている子供の芽を摘んでいるようなものだからです。
言うまでもありませんが、はじめから「むり」と言われたのでは、子供もやる気を失ってしまいます。
誰かと比べて「隣の〇〇ちゃんならできるだろうけど、あなたにはできっこないじゃないの」など言っていませんか?
本人を挑発させてやる気をださせる気だったとしても、こんなことは言わないようにしましょう。
はじめから限界を設けていては何もできるわけがありません。
消極的で物事に挑戦しない子供に育ってしまいますよ。
ヒーローに学ぶ
次の具体的な子供の褒め方はこれです。
ヒーローに学ぶ。
子供とオリンピックやワールドカップなどをテレビで観る機会もあるでしょう。
そのときこそ、子供に万能感と努力の成果をわからせる絶好のチャンスです。
「すごいね!人間にはこんなこともできるんだ。〇〇だってきっとできるようになるよ」
「練習してきたからこんなにできるんだね」
「お前だって、本気で練習したらこんな人たちになれるかもしれないんだよ」
このようにヒーローたちを良いお手本として、子供のやる気を引き出しましょう。
限界もわからせる
次の具体的な子供の褒め方です。
褒め方というよりは注意点かもしれませんが。
それは限界はわからせるということです。
子供を思い上がらせてはいけません。
万能感を持つことはとても大切なことです。やればできるという自信を持つのもとても良いことです。
しかし、それが行き過ぎて「自分はほかの人よりも優れている。何もしなくても優れた人間だ」などと思い上がってしまっては傲慢な人間になってしまいます。
それどころか、ろくに努力もせずに「いつだって努力すれば人よりもできるんだ」という根拠のない自信を持ちすぎてしまいます。
そんな気持ちを持ちすぎてしまった場合は、結局何の努力もせず終わってしまう可能性もあります。
ですので、次のことは繰り返し言う必要があります。
「練習しないとできるようにはならないよ」
「あの人は努力したからできるんだよ」
子供は「そんなこと、僕はいつでもできるよ」と言いたがります。
小学生低学年では「もしかしたら天才かも」などおだててもいいですが、高学年になったら、おだてるだけではなく、できないこと、人に負けることがあるんだということも教えるようにしましょう。
そのためには、ほかの人を褒めるのが最も手っ取り早いです。
同じクラスの子を例に出してこう言ってみましょう。
「〇〇君は足の速さはすごいね。あなたは〇〇君には足の速さではかなわないね」
「でも〇〇では、あなたの方がずっと上だね」
このように、しっかりと自分の潜在能力に対する自信を持たせるべきですが、すべては可能ではないこと、潜在能力があるにしても、今のところは、まだそれが現れておらず、努力を要することを教えるようにしましょう。
何より自己万能感を意識した褒め方をするようにしよう

子供の上手な褒め方とそのときに親が意識すべきことをご紹介しましたがいかがでしたか。
それでは最後にもう「子供の上手な褒め方」をまとめておきます。
- おおげさに褒める。
- やればできることを認識させる。
- ヒーローに学ぶ。
- 成果を示す。
- 限界を設けない。
- しかし限界もわからせる。
いずれにせよ、子供は成長するうちに自分がそれほどの能力の持ち主ではなさそうだということを悟り始めます。
それどころか、さまざまな分野で「自分は並以下」だということを思い知らされることもでてきます。
場合によっては「自分は最低だ」ということを宣告されることもあるでしょう。
だが、そこでも支えになるのが「この分野がダメでもほかの分野がある。少なくともほかの分野では、自分はかなりのレベルまでいけるかもしれない」という思いなのです。
そして、こうした考えを育てるのが、小さいころから親が「子供の自己万能感」を大事にしていることなのです。
子供を褒める場合は、ぜひこの「自己万能感」を意識した褒め方をするようにしてくださいね!
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