
ワンオペ育児が辛い、疲れたという方にその対処法をお伝えしていきます。
「ワンオペ育児」が社会問題化しているように、核家族の中で育児を一人でこなすのは本当に大変なことですよね。
悲しいことに、他者の手を借りずに子育て(孤育て)をしていて産後うつになり自殺してしまう方は、2015~16年で約100名もいらっしゃって、妊産婦の死因のトップと言われています。
また、この傾向に陥ってしまうのはワンオペ育児をしている方に多いと言われています。
今回は、ワンオペ育児が辛いという方に、その原因と対処法をお伝えしていきます。
ワンオペ育児が辛いと感じる原因
ワンオペ育児が辛いと感じる原因はどのあたりにあるのでしょうか。
まずはその原因を一つずつ見ていきましょう。
旦那が育児をしない

ワンオペ育児が辛い・疲れる原因は、何といっても、旦那の育児に対する意識の低さでしょう。
意識が低いがゆえに、「育児は妻がやるもの」という間違った考えを持っていて、育児の悩みを夫婦で共有することができません。
ご飯の準備、食事の後かたずけ、それが終わってから息つく暇もなくお風呂に入れ、寝かしつけ。
寝かしつけが終わった後も、やらなければいけないことが山のようにあります。
それなのに、旦那は育児に協力しないどころか、スマホでゲーム、テレビを優雅に見ているなど、ありえない言動ばかり。
これでは女性が育児に疲れきっても仕方がありません。
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育児経験がない人が多い

現代の母親は育児経験がないまま、子育てをしている人が多いそうです。
厚生労働省の調査では「出産前に乳幼児のお世話をした経験がない」と65%以上の方が回答しています。
これがワンオペ育児が辛い原因になっているんですね。
育児ははじめは誰もが初心者ですし、不測の事態がいつでも起こり得る一大プロジェクト、ベビーシッターで働いている方でも、1人の子供と真剣に向き合う集中力は4時間が限界だそうです。
子育てが弧育てになりやすい今の社会が、ワンオペ育児の辛さを助長させているんですね。
3歳までは母親が子育てをしないといけない

ワンオペで育児を頑張る女性たちを苦しめているのが、3歳児神話です。
「3歳までは母親が育てないと、子供の発達や成長に影響がある」
そんな神話が、女性たちにいらぬプレッシャーをかけているのです。
「子供を0歳から預けるなんて、かわいそうじゃない?」
「母親の愛情が一番だよ」
こんな言葉を悪気なく助言してくる年配の方も多いですし、有言無言のプレッシャーを受けて、「やっぱり母親である私が頑張らないと」と、思い詰めてしまうのです。
ワンオペ育児が辛い!疲れたときの対処法

まずはワンオペ育児が辛い原因を見てきました。
ではその辛い状況をどのように解消していけばいいのでしょうか。
次はその方法を見ていきます。
自分にダメ出しをするのはもうやめよう

日本の母親はとても頑張りやさんで、アメリカのすごい主婦は日本では普通というのはよくある話。
つまりワンオペ育児が辛いのは、あなたが頑張りすぎているからです。
欧米の国々では、海外の絵本やドラマでもその様子が描かれているように、生まれた直後から子供を親と別室で寝かします。これだけでも寝かしつけのイライラがかなり激減されそうです。
ほかにも、アメリカの母親は離乳食をスーパーで購入し、夕食は冷凍食品をレンジでチンしたりデリのお惣菜を利用したりするのはしょっちゅうです。
一方、日本の母親たちは離乳食の手作りはもちろんのこと、一汁三菜、ご飯に汁物とおかず3種を毎日作りなさいと指導され、ハイレベルの料理を求められます。
こんなに「すごい」家事・育児をこなしているのに、「私はダメな母親だ」と罪悪感を抱いている日本の母親たち。
他の国と比べると、日本はいろいろと丁寧すぎるのです。国際基準で考えれば、ちょっとぐらい手を抜いてもまったく問題ありません。
ワンオペ育児が辛い、疲れたときには、まずは「私は十分に頑張っている」と自分自身で自分を褒めてあげてください。
関連記事>>子育てに自信がない、疲れた、ストレスを感じてるママにはぜひ読んでほしいな。
旦那に家事・育児・保活を分担しよう

では、どうすれば具体的にワンオペ育児の辛い状況を解消することができるのでしょうか。
育児と仕事の両立に関するハウツー本を眺めてみると、「旦那をあてにしなくてもよい環境を整えよう」という助言や、母親一人の工夫や努力でのりこえるための家事術・仕事術が書かれているものがあります。
しかし、これでは母親に「もっともっと効率的に一人で頑張れ」といっているようなもの。
ワンオペ育児がさらに辛い状況が出来上がってしまいます。
ワンオペ育児に疲れたときには、やはり旦那に家事・育児などをできるだけ分担してもらう必要があります。
ではどのように旦那の分担を増やしていけばいいのか、そのコツをいくつかあげてみます。
ワンオペ育児をやらせてみる
ワンオペ育児の大変さを知ってもらうために、半日から一日の間、旦那に「一人で」子供の世話をやってもらいましょう。
実際に、おむつ替えや授乳、泣き出した赤ちゃんをあやすというタスクをたった一人でやってみることで、ワンオペ育児で子供の世話をする大変さを理解できるようになります。
その間、あなたは外出していればリフレッシュもでき一石二鳥です。
「任せてしまって大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、旦那だってもう一人の親です。あなただって最初はうろたえながらも子供の世話の仕方を覚えていったはず。
信頼して、任せてみましょう。
高いレベルはもとめない
旦那にワンオペ育児をやらせるときに注意したいのが、いきなり高いレベルを求めないということ。
フルタイムで働きながら、家事も育児もするのは大変なこと。それなのにダメ出しされたらやる気がうせます。
それに先にあげた欧州の例と比べて、日本の女性は高いレベルの家事・育児をこなしています。その高いレベルを旦那にも求めては、首を絞め合っているようなもの。
お互いを褒め合い、アドバイスするように心がけた方が、お互いのためだと言えます。
関連記事>>家事しない旦那に爆発寸前!使えない旦那を大変身させる方法はこれだ!
家事・育児分担を見える化する
旦那との役割分担がかたよっている場合は、誰が何を担当しているかを「見える化」しましょう。
一覧表や図で視覚化すると効果的です。
「ママセレクト」に記載された犬山柴子さんの記事「家事育児をやっているつもりの旦那へ見せた執念の分担図」というものが、SNSで話題になったことがありますが、この手法はとても参考になります。

出典:「ママセレクト」掲載記事(執筆:犬山柴子さん)
犬山さんの旦那は、「やっていると思っていたけど、図にされたらそのとおりで悔しかった」「やるべきことが明確でよかった」といい、思った以上の効果が表れたそうです。
図にもあるように「朝食づくり」「トイレ掃除」といった各項目が定期か不定期か、朝か夜か、平日か休日かなどを考慮しつつ、お互いの働き方に合わせてある程度は分担を決めた方が、自分の担当に対して責任を持つようになるでしょう。
保活は一緒に進める

保活は、産休・育休中に女性が始めてしまうことが多いのですが、スタート時点から母親だけで保育園探しをどんどん進めてしまうと、旦那は「保育園に関わるあれこれをするのは自分」という当事者意識を持ちにくくなります。
そこで、保活のはじめの段階から、旦那も巻き込んで一緒に保活を進めていきましょう。
入園後には、日常的な準備や送迎、病児保育の申し込み、保護者会など、保育園に関わるマネジメントの作業がでてきます。
保活の段階から分担していれば、こういったマネジメントにも旦那が関わりやすくなります。
保活から母親がすべてを担当していると、旦那に一から教えるのが面倒になってしまい、どんどんワンオペ育児になってしまうのです。
旦那を気長に説得するのも一つ
旦那の分担を増やす方法とコツについてお話しましたが、残念ながら、時間があっても、いくら説得しても、家事・育児をあまり分担しない旦那も存在するでしょう。
ただ、そんな中でも時間をかけて少しずつ父親らしくなる旦那も一定数いらっしゃいますので、妻側としても。それでもあきらめずに気長に説得を続けるという戦略をとってみるのも一つです。
でも、それが無理なら「旦那はあてにしない。その方がイライラしないし、余計なストレスがたまらない」と考える方がいいかもしれません。
ワンオペ育児の辛い状況を解決するのは、やはり旦那が頼りになるのが一番なのですが、それがどうしても無理な場合はスッパリと諦めるのも一つです。
関連記事>>「旦那が子育てしない」と言うので子育てしてみたら妻以上にイライラしたというお話。
実家や親戚を頼る

昔はあったけど今は減ったもの、それは家族や親せきのサポートです。
ワンオペ育児が辛い、疲れたときに、旦那が頼りにならない場合は、実家や親戚を頼ってみましょう。
実家や親せきにサポートを頼める人は、過度に遠慮せずに、とはいっても相手が疲れすぎない程度に、子供を預かってもらったり、世話を一緒にしてもらったりすることで、ワンオペのストレスが軽減されるはずです。
地域のサポートを頼る

実家や親せきに頼れなくても、市町村には利用目的に応じた多様な子育て支援があります。
民間企業が運営するサービスと比べて安く、あるいは無料で利用することができますので、ワンオペ育児に疲れたときなどに利用してみてください。
◎相談したいときに「利用者支援」
保育園・幼稚園などの施設や、子育て支援事業などから必要なものを選択して利用できるように紹介を行っています。
子育てに関することなら、誰でも気軽に無料で相談できます。各自治体の地域子育て支援拠点や行政窓口などに設置されています。
◎短時間預けたいときに「一時預かり」
急な用事や短期のパートタイム就労のほか、リフレッシュしたいときなど、保育園や幼稚園、子育て支援拠点などに子供を預けることができます。
費用は2時間1000~1500円程度で利用が可能です。
◎一泊預けたいときに「ショートステイ」
保護者の出張や介護、入院など子供の保育ができない場合に短期の宿泊で子供を預かる「ショートステイ」、平日の夜間などに一時的に子供を預かる「トライライトステイ」があります。
費用は1回3000円程度です。
◎定期的に子育てを手伝ってほしいときに「ファミリーサポート」
ファミリーサポート事業は、育児援助を受けたい人と、育児援助をしたい人(おもに子育て経験がある30~60代)が会員となり、相互に援助する有償ボランティアです。
家事や保育園・幼稚園の送迎、預かり保育などが1時間1000円前後で、企業が運営するサービスよりも安価です。
ママ友ネットワークを広げる

人によっては面倒に感じるかもしれませんが、地域の育児サークルやイベントに参加して、気の合うママ友を探してみるのも一つです。
また、各自治体には、「地域子育て支援拠点」といって、子育て中の親子が交流できる場所があります。
もし保育園や幼稚園に子供が通っているならば、父母参加の懇談会や飲み会に積極的に参加すると輪が広がります。
その中にはあなたと同じようにワンオペ育児の悩みを持つママもきっといらっしゃるでしょうから、悩みを共有することで不安や孤独な気持ちが軽減されるはずです。
職場の人を味方につける

ワンオぺ育児が辛い状態を解消するために、働いている方なら職場の人を味方につけておくと大きな効果が見込めます。
「子供が熱をだした」などで、仕事を早退したり休みを取得する必要もあるでしょうから、職場の人に理解があると安心できますよね。
そのためには、できることなら、妊娠がわかったとき、産休・育休のプランを立てるとき、保育園に入園できたときなど、まめに上司や一緒に働く仲間に、あなたの状況を伝えコミュニケーションを取っておくことです。
上司や同僚にしてみれば、あなたの状況がわからないと、トラブルになったときに対応できませんし、引継ぎの仕事がうまくいかないなど、周りの人に迷惑をかけてしまう可能性があります。
可能な限り、あなたの状況をこまめに伝え、仕事を代わってもらったときなどは、同僚に感謝を伝えるだけではなく、上司にもそのことを報告しておきましょう。
そうすることで、周囲との関係もよりいっそうよいものになります。
家事サポートを使ってみる

ワンオペ育児に疲れたときは、家事サポートを利用してみるのも一つです。
最近はスマホで簡単に予約ができる家事代行サービスも増えてきました。
仕事と育児に加えて、家事も完璧にこなすのはムリな話。適度に力を抜くために、家事をアウトソーシングすることも、今の時代の子育ての新常識になりつつあります。
「私は料理は好きだから自分で。でも、掃除は苦手だから水回りだけでもお願いしよう」
「週末に家を掃除するのは気分転換にもなるし、苦じゃない。料理の作り置きをお願いして、平日の食事づくりの負担を減らしたい」
こんなふうに、自分の得意・不得意の応じて、効率よく外部サポートを利用してみるといいでしょう。
家事代行サービス以外にも、食事宅配や半料理ミールキットを利用したり、ロボット掃除機や食洗器などの家電を積極的に導入したり、家事の負担を減らすための選択肢はここ数年でかなり充実してきています。
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育児中はとにかくやることがたくさんあります。24時間では足りないぐらいですので、積極的に効率化していくことが大切です。
それは手抜きではなく、時間を大切に使うための方法だと考えてくださいね。
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育児は多くの人の手を借りておこなえばいい

ワンオペ育児が辛い、疲れたという人に、その原因と対処法をお伝えしてきました。
最後のもう一度まとめておきますね。
ワンオペ育児が辛いときの対処法
- 自分にダメ出しをするのはもうやめよう
- 旦那に家事・育児・保活を分担しよう
- 地域のサポートを頼ろう
- ママ友ネットワークを広げよう
- 職場の人を味方につけよう
- 家事サポートを使ってみよう
このようにワンオペ育児が辛いときの対処法は何といっても、他の人の手を借りることです。
そんなときに疑問に感じるのが「多くの人の手を借りることは親にとっては楽になれるからいいけど、子供にとっても本当にプラスなの?」
ということかもしれません。
この答えはYESです。
人間は「社会的な動物」と言われ、集団の中で自己の位置づけや関わり方を学んでいきます。子供は身近な大人をモデルとして、その言葉や行動を真似たり、吸収したりして成長していきます。
乳幼児だけではなく、小学生以降にも、多様な大人を知ることで、これからの社会をたくましく生き抜く力を養うことができるのです。
早くから親以外の大人やお兄さん、お姉さんたちに受け入れられて育った子供は、物怖じせず社交的になる場合が多くあります。
親にとっては、他人が自分と同じ目線で子供を見守ってくれることに安心感を感じることができるはずです。また、子供に対して多様な生き方の選択肢を提供することができます。
社会の変化が激しい中、自分の人生だってどうなるかわかりません。ましてや、子供たちの時代のことは親たちだって予測不可能なことばかりです。
だからこそ、親だけの価値観で子供を育てるのではなく、多様な大人に出会わせていくこと自体が子供の成長につながっていきます。
ワンオペ育児が辛いときは、周りの人に助けを求める習慣を身につけてくださいね。
関連記事>>子育てに自信がない、疲れた、ストレスを感じてるママにはぜひ読んでほしいな。
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